2025年10月に9枚目のアルバム「idlewild」をリリースしたイギリス・スコットランドのギターロックバンドIDLEWILD(アイドルワイルド)
中学の頃に聴いて以来、大好きなバンドのひとつ!キャリアは30年近くあるバンドですが、残念、日本での知名度はイマイチ。そんなアイドルワイルドの魅力、オススメ曲を紹介して知名度上昇したいと思います!R.E.M.のような文学的ロック、メロディーがすきなロック好きな方には特にオススメ!
- UKバンド・アイドルワイルドの歴史、魅力について
- オススメ曲、アルバム紹介
デビューから新作までのオススメ曲を紹介
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アイドルワイルド:バンド情報

バンド来歴

結成と初期衝動(1995〜1999)
バンドは1995年、スコットランド・エディンバラでロディ・ウーンブル(Vo)とコリン・ニュートン(Dr)を中心に結成。初期の彼らは、ほとんどパンクに近い勢いだった。

1998年のデビュー作『Hope Is Important』には、若さと焦燥が詰まっている。”A Film For The Future”や “When I Argue I See Shapes” に聴けるような、荒々しいギターとメロディの衝突は、まるで音がまだ言葉になりきれない青春の叫びのようだ。
同じく1998年に1stアルバムの前にリリースされた『Captain』も忘れてはならない。当時、「階段を転げ落ちる音楽」と呼ばれたアイドルワイルド。叫び、のたうち回る青春の記録。
詩情と洗練 ― 成功の時代(2000〜2005)

2000年の『100 Broken Windows』で、アイドルワイルドは一気に注目を集める。このアルバムは、パンクの衝動と文学的な知性が見事に融合した作品だ。“Little Discourage” や “Roseability” は、混沌の中に美を見出すような名曲たち。そして2002年の『The Remote Part』で彼らは頂点を迎える。
“You Held the World in Your Arms” が全英シングルチャートの9位を記録し、英国中にその名が知られることになった。
この頃のアイドルワイルドは、ただのロックバンドではなく、「文学的なロック」の象徴でもあった。スコットランドの詩人エドウィン・モーガンをフィーチャーした “Scottish Fiction” は、まさにその象徴だろう。
詩と音が同じ方向を向いている。そんな奇跡的なバランスが、彼らの魅力だ。
変化と静けさ ― 内省の季節(2006〜2013)

2005年以降、バンドは大きく方向を変える。『Warnings / Promises』では、アコースティックで内省的なトーンが増し、フロントマンのロディ自身もフォーク志向を強めていく。やがてアイドルワイルドは静かに活動を休止し、メンバーはそれぞれの音楽を模索していった。
この頃の作品には、派手さはないけれど、どこか“帰りたくなる音”がある。ワタシはこの時期のアイドルワイルドも大好きだ。特に “Too Long Awake” 、“El Capitan”には、「まだ何かを信じられる」という小さな希望が込められている。
2007年の『Make Another World』以降は、活動をインディーに戻し、自分たちのペースでやっていくことに、2009年『Post Electric Blues』を発表後、2010年から活動を休止。

再生と深化(2015〜現在)

2015年、アイドルワイルドは再び戻ってきた。『Everything Ever Written』は、以前よりも穏やかで、でも確かに力強い。フォークやエレクトロニックの要素を取り込みつつ、彼らの芯――あの“静けさの中の情熱”――はそのままだった。1曲目の”Collect Yourself”は復活を告げる狼煙には充分だった。
続く『Interview Music』(2019)は、実験的で自由。“Dream Variations” を聴いたとき、あの頃のように心が震えた。そして、結成から30年の2025年、彼らはセルフタイトルの『Idlewild』をリリース。原点に帰りながらも、どこか未来を見つめるような音だった。
バンドメンバー
デビュー時のバンドメンバーはロディ、ロッド、コリン、ボブの4人。しかし、ボブは2002年頃にバンドを脱退。その後は5人だったり6人だったり。今回のアルバム『idlewild』は以下の6人で作成したようですね。

- ロディ・ウォンブル(Roddy Woomble):ヴォーカル
- ロッド・ジョーンズ(Rod Jones):ギター
- コリン・ニュートン(Colin Newton):ドラム
- アラン・スチュワート (Allan Stewart):ギター(2003年〜2010年頃まで正式メンバー、今は?)
- アンドリュー・ミッチェル(Andrew Mitchell):ベース
- ルチアーノ・ロッシ(Luciano “Lucci” Rossi):キーボード
ディスコグラフィ
デビューから現在までのオリジナル・アルバムのリストです。



| 発表年 | タイトル | レーベル | UKチャート、メモ |
|---|---|---|---|
| 1998 | Captain | Deceptive Records | ミニアルバム |
| 1998 | Hope Is Important | Parlophone / EMI | — |
| 2000 | 100 Broken Windows | Parlophone / EMI | デラックス・エディションあり |
| 2002 | The Remote Part | Parlophone / EMI | UK 3位(非常に高評価) (ウィキペディア) |
| 2005 | Warnings / Promises | Parlophone / EMI | — |
| 2007 | Make Another World | Sanctuary | — |
| 2009 | Post Electric Blues | Cooking Vinyl(自主流通後に一般流通) | UK チャート90位、インディーチャート12位 |
| 2015 | Everything Ever Written | Empty Words | UK チャート20位 |
| 2019 | Interview Music | Empty Words | UK チャート22位 |
| 2025 | Idlewild | V2 Records | UK チャート16位(20年ぶりの高位) |



公式サイト
公式サイト、各種SNSへのリンクです。今回のアルバムも突然SNSで発表されましたし要チェックです。
- 公式サイト→https://idlewild.co.uk/
オフィシャルストアでレコード、CD、グッズなど買えます。 - 公式エックス→https://x.com/IdlewildtheBand
ニュースはここで! - 公式インスタグラム→https://www.instagram.com/idlewildtheband/
写真、動画でライブの様子を知ることができます。
オススメ曲・アルバム紹介
ほんとに、全部好きって言えるくらいに好きなバンドなので選曲は迷いました。新作と、必聴アルバムからは外し、なるべく各アルバムから一曲ずつ選びました。ぜひ一度聴いて下さい!
※Applemusicだとバンド名がなぜかロディーになっています。全然修正されない…
オススメ曲10選
Satan polaroid
デビューミニアルバム『Captain』収録。パンキッシュなサウンドの中でも光るメロディ。この頃からすでにメロディに反抗するかの様なギターと、サウンドスタイルが確立している。
When I Argue I See Shapes
1stアルバム『Hope Is Important』収録。初期の名曲の一つ。性急なビートにのるギターアルペジオ。ノイジーなギター、サビのポップなメロとただのパンクバンドではないことを予感させる。
Idea Track
2ndアルバム『100 Broken Windows』収録。こういう曲調、個人的に大好き。アイドルワイルドの静と動。緩急が凄くツボ。そしてサビはすごくキャッチー。2ndは好きな曲多いです。
Mistake Pageant
2ndアルバム『100 Broken Windows』収録。イントロからのギターの単音リフが印象的。サビでのコーラスもいいし、そこでなるオクターブのギターといいたまらなくいい。少し切なさを感じるのはなんでだろう。
Live In A Hiding Place
3rdアルバム『The Remote Part』収録。3rdは必聴アルバムでも紹介してるので外そうか悩みましたが、この曲の歌詞がとても好きなので入れました。隠れているときだけが安心。
Too Long Awake
4thアルバム『Warnings / Promises』収録。アイドルワイルドでは珍しく、ドリーミーでシューゲイザーなサウンド。でも甘ったるくない。アコースティックバージョンが国内盤ボーナストラックに。メロが好き。
Goodnight
4thアルバム『Warnings / Promises』収録。アルバムの最後を飾る曲。ハーモニー、アコースティックと、これまでのイメージを覆す。静かながら情感たっぷりに歌うロディの声が素晴らしい。
If It Takes You Home
5thアルバム『 Make Another World』収録。初期のような荒々しいサウンドに乗せたパンキッシュな曲。ソロ活動を経てロディの歌い方がすごく深くなった。そこに、これまでのアイドルワイルドのサウンドが融合。
Readers & Writers
6thアルバム『Post Electric Blues』収録。これまでになかった賑やかでポップなサウンド。イントロのホーンセクションなんかすごくキャッチーでアイドルワイルドと思わないほど新鮮。むしろホーンセクションがサビ。
Radium Girl
7thアルバム『Everything Ever Written』収録。ロッドのソロ・プロジェクト「The Birthday Suite」にも通じるような軽快なサウンドとロディのフォーク調なメロがいい感じに混ざりあった曲。
Same Things Twice
8thアルバム『Interview Music』収録。ここにきて原点回帰のようなギターロックな曲。久々に聞けるロディの叫び。Aメロはスポークンワードな感じでまくし立てますが、サビはアイドルワイルドのメロが出てますね。
必聴アルバム『The Remote Part』

アイドルワイルドではずせないアルバムといえば『The Remote Part』です。知名度、売上も歴代1位なところもありますが、アルバムとしてもアイドルワイルドのそれまでとこれからが絶妙に混ざった好アルバムです。1曲目”You Held The World In Your Arms”からラスト”Scotish Fiction”まで飽きることなく聞け、今でも時々聞いています。
アルバムがリリースされた2002年は、ブリットポップの喧騒も過去のものとなり、Travis、Coldplay、といった叙情的なギターロックバンドがイギリスでは流行。これまでアウトサイダーで流行のそとにいたアイドルワイルドがチャートに食い込んで行くのは痛快でもありました。
このアルバム、オススメ曲はすべて。1曲目から3曲目まで聴くとアイドルワイルドの良さが伝わると思います!
American Englishの一節、’Sing a song about myself Keep singing a song about myself
Not some invisible world (自分について歌って、自分についての歌を歌い続けて、目に見えない世界じゃなくて)’の歌詞がすごく好きだし、グッときます。
最新アルバム『idlewild』
そして、今年2025年リリースされた『idlewild』。キャリア30年、9枚目にしてセルフタイトル。これはもう期待しかなかったな。

これまでのフォーク、エレクトロニカ、と新しいことを少しづつ取り入れて来たアイドルワイルドの集大成。キャッチーなメロディー、ノイジーで個性的なギター、空間を生かした音作り。ワタシは現時点では4曲目の”(I Can’t Help)Back Then You Found Me”が特にお気に入りです。
アイドルワイルドとワタシ
アイドルワイルドと出会ったのは中学生時代。洋楽雑誌クロスビートを購入していたワタシ、記事の中にあったUK新人特集で初めて名前を目にしました。
そして、音も聴いていないままで近所のCDショップに予約しに行ったのを覚えています。当時はネットもないですから検索して試聴って今みたいにできなかった…
購入したのはデビューミニアルバムの『Captain』(国内盤)。手に入れてこんなに興奮したバンドは他にはいなかった。
ニルヴァーナも後追い、ブリットポップも後追い、ミッシェル・ガン・エレファントも追いだったワタシにとって初めて自分だけの宝物を見つけた気分でした。
下の写真はクロスビートの懸賞で当たったTシャツ。
高校時代によく着てたけどサインしてもらえたので額に入れました笑

アイドルワイルドを追いかけていると、共に成長していってるような気になります。思春期はパンク的衝動、そして内省的になり、少し周りを受け入れて、開けていけると思ったり。この音楽と一緒に育ってきたって思えるバンドはなかなか他にいない。
自分の聴く音楽ジャンルの幅が広がっていく感覚がバンドの成長とともにありました。
来日ライブ
こんなに好きなバンドですが、ライブは2015年の1度しか行ってないです。初来日が1999年、次がおそらく2007年ブリティッシュアンセム、3度目が2015年アルバムツアーとわずか3回しか来日していないと思います。




最後に

とにかく、アイドルワイルドをギターロック好きな方、UKロック好きな方、エモロック好きな方に聴いてもらったらハマるんじゃないかと思っています。特にゲット・アップ・キッズとかジミー・イート・ワールドが好きな方にはおすすめしたいです。
今更ですが、日本に来てもらうためにもアイドルワイルドを盛り上げていきたいですね!
アイドルワイルド好きよ!って方、他にもこんないいバンドいるよってかたはコメントしていただけると嬉しいです。

めご
最後まで読んでいただきありがとうございます!

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