
Snail Mail(スネイル・メイル)の新しいアルバム「Ricochet」が3月27日にリリースされました。
前作「Valentine」から5年、通算3枚目のオリジナル・アルバム。フジロック2026年への出演も決まっていますね!デビュー時はインディー・ロックの申し子と騒がれたスネイル・メイル、新作を中心に彼女のこれまでの活動をまとめています。
90年代のサウンドをもとに現代的なアプローチする彼女の音楽に、夢中。
ギターロックだけでなく音楽が好きな方に聴いて欲しい!
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「Ricochet」全曲レビュー
では早速、アルバム収録の12曲をレビューしていきたいと思います。

Tractor Beam
アルバムの幕開けは無機質なリズムトラックに印象的なギターの単音リフ。歌が始まるとストリングスにシンセと壮大な感じのアレンジ。歌われるのは失われた恋。そして新しい未来へと踏み出す歌。
前作までと一番違うのはリンジーの声の印象。感情的というよりは語りかけるように歌う。サビの開放的なサウンドがとても心地良い。
余談ですが、このイントロのリフを聴くとつい、The President of United States of Americaが頭をよぎります。
My Maker
セカンドシングル。イントロでのアコギのストロークからサウンドが気持ちいい。いい仕事してますよね。深めのリバーブで歌うリンジーの声が幽玄で、儚さマックスでずっと聴いていたくなります。
気球に乗って歌うMVも素敵です。
Light On Our Feet
ゆったりとしたテンポで歌われるバラード的ナンバー。タイトルは”軽やかな足取り”といった意味。ドラムの細かいスネアがそんなところを表現してるのかも。優しさを感じる曲でサウンドに包まれる感じが凄く好き。
Cruise
こちらもゆったりとしたテンポ、喪失感を感じてもクルーズしていくといった内容の歌。三拍子で絡むストリングスとピアノが印象的。ストリングスも派手につかうというよりは中低域をしっとりと、後半入るホーンが曲を盛り上げます。
ピアノはリンジーが弾いてるそうな。
Agony Freak
アルバムの中でもキャッチーな曲の一つ。”苦痛、痛み”についての歌なのに。イントロから印象的なギターサウンド、不思議なエフェクトが耳を惹きつけます。この曲はバンドサウンドオンリーですごく90年代インディー、オルタナ感を感じます。
Dead End
先行で配信されていた曲で、アルバム発売前はこればかり聴いていました。こちらもバンドサウンドが中心で、前作とは違う方向性を示していましたね。後半のCメロでパワーコードで歌うパートがすごい好きでした。そこからの最終部への入りもたまらないです。
Butterfly
早めのテンポの中で絡み合うアコギとエレキが印象的、後半のインストパートでのギターが切なすぎ。テンポチェンジを経ての展開も凝っていて好きです。
Nowhere
ファースト時代を思い出させるイントロ、サビのメロディが特に印象に残ります。ざらついたギターに甘い声がこんなに調和してるなんて。力強いロックな印象もあるし、切ない気持ちにもなるし、この曲は聴くたびに聴こえ方が違う。
この曲が一番好きかも。
Hell
フィードバック音が幻想的なイントロ。直訳すると”地獄”なタイトルです。歌われてるのは成功によって周りに振り回されてしまうこと地獄と歌っているのかな。サビでは”誰も私達のやり方を決められない”って力強く歌ってます。
ギターのアルペジオが心地良く、サビでのパワフルなサウンドもかっこいい。静と動のコントラストが一番ある曲。
Ricochet
アルバムのタイトルナンバー。日本語だと”跳弾”で跳ね返ったり飛び跳ねるって意味もあるみたいです。タイトルナンバーらしく壮大な感じでこのアルバムの象徴になってる。寄り添う歌、ストリングス、バンドサウンドとこのアルバムの要素がすべて詰まってます。
Reverie
ラストを飾る曲。スネイル・メイルらしい弾き語りで始まり、途中からバンドサウンドがイン。ゆったりと歌うリンジーには貫禄すら感じます。
総評:没入感の強いアルバム
アルバムは全11曲で41分。
今作「Ricochet」は前作にあった派手さやキャッチーさは少し控えめです。でも、以前のように声を張り上げるよりは語りかけるようなボーカル、90年代を彷彿とさせるバンドサウンドといい、とてもいいアルバムになってると思います。レコードを聴いてると没入感がすごく、心地良い時間を過ごせてます。
リンジーは前作リリース後に声帯の手術をうけたそう。歌い方が変わっているのはその影響もあるかもですが、歌詞の内容もパーソナルですし、今作のボーカルは聞き手に寄り添う感じが全曲通じて印象的でした。
プロデューサーであるアーロンのサウンドはノスタルジックでも有り現代的。低音が豊かで聴き応えのあるサウンド。特にドラムサウンド、抜けの良いスネア、シンバルの音といいすごく好きです。
ひだみ
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スネイル・メイル|バンド情報
ここで、デビュー時からのスネイル・メイルの歴史を振り返ります。
メンバー
スネイル・メイルはリンジー・ジョーダンによるソロ・プロジェクト。
- リンジー・ジョーダン(Lindsey Jordan) – ボーカル、ギター
- アレックス・ベース(Alex Bass) – ベース
- レイ・ブラウン(Ray Brown) – ドラム
- マデリン・マコーマック(Madeline McCormack) – ギター・キーボード
メンバーはライブだったりレコーディングに参加してる方。今作にはベースとドラムの2人がクレジットされてる。

デビューから現在までの歴史
リンジーが自身で録音したEP「Sticki」をリリース。ここで初めてスネイル・メイルを名乗りライブを行う
EP「Habit」をリリース、アメリカの批評サイトPitchforkのBest New TrackシリーズにEPの「Thinning」が選ばれる
2017年には初来日ツアーを行う。
2017年にMatadorRecordと契約し、2018年に「Lush」をリリース。批評家などから高い評価を得る。
2022年にはフジロック’22への参加、23年には日本での単独ツアーも行われた。
5年ぶりにアルバムをリリース。フジロック’26への参加も決まっています。
キャリアとしては10年以上活動してます。2015年のスタート時にリンジーは16歳ですか…若いな。

影響を受けたバンド
ここでインタビューなどでリンジーが公言しているバンド・アーティーストを紹介します。エリオット・スミスは歌詞の内省的な部分やギタープレイでよく参照しているそう。なんか納得。
1. アイドル・初期の衝動
リンジーにとっての「原点」と言える存在。
- アヴリル・ラヴィーン: 「I’m With You」を史上最高の曲と評しており、ギターを弾くきっかけの一つとして挙げています。
- パラモア(ヘイリー・ウィリアムス): 8歳の時にライブを見て衝撃を受け、バンドを組むインスピレーションを得たそうです。
- リズ・フェア: 彼女の代表作『Exile in Guyville』は、スネイル・メイルのインディー・ロック・スタイルの大きな指針となっています。
2. ギター・ソングライティングの師
- メアリー・ティモニー (Helium / Ex Hex): リンジーのギターの師匠であり、最もお気に入りのギタリストとして挙げています。
- エリオット・スミス: 彼のダイナミックなギタープレイやソングライティングに深く心酔しており、最新作の制作においても彼の「Angeles」などが参照されています。
インタビュー記事リンク→Paste magazineインタビュー記事 - カート・ヴァイル: ギターのトーンやスタイルにおいて影響を受けています。
3. 90年代オルタナティブ・ロック
サウンドなどに特に影響を受けていますね。フジロックでもオアシスのTシャツでした。
- オアシス/レディオオヘッド/R.E.M.: 90年代のアンセム的なサウンドや、ストリングスを多用したドラマチックな構成に影響を受けています。
- スマッシング・パンプキンズ/ニルヴァーナ: オルタナ特有のエッジの効いたギターサウンドのルーツです。
4. 同世代・現代のアーティスト
- Momma:プロデューサーのアーロン・コバヤシ・リッチが所属するバンドであり、お互いに影響を与え合う親密な関係です。
ブログでも紹介しています→Momma 「Welcome to My Blue Sky」アルバム全曲レビュー - ワックスアハッチー (Waxahatchee):キャリア初期からツアーを共にするなど、精神的・音楽的な支えとなっています。
- Sheer Mag:「今一番好きなバンド」として名前を挙げることが多く、彼らのパワフルなロックサウンドを絶賛しています。
Valentine期のインタビュー記事で好きな曲紹介してます→こちらの記事(https://ew.com/music/snail-mail-valentine-soundtrack-of-my-life/)
他にもラナ・デル・レイっだったりとギターロックにとらわれずにいろんなバンド・アーティーストを聴いてるようですね。
バンド公式リンクなど
公式Youtubeではライブ映像、カバーなど公開されていておすすめです。
スネイル・メイルのオススメ曲
ここで過去作からおすすめ曲を紹介します。ファースト、セカンド、配信オンリーの曲から選曲してます。こちらの曲も聴いて、もっとスネイル・メイルを好きになってください!


【まとめ】聴けてよかった

聴けてよかった。この一言です。前作からのインタバールも長かったですし、ほんとに新しいアルバムを手にすることができて嬉しいです。
この記事を書くに当たってスネイル・メイルについて色々と調べました。中でも影響を受けたアーティストは筆者も聴いていたバンドも多く、スネイル・メイルにハマっているのも頷けるなと改めて思いました。
2026年のフジロックにも参加!それも今から楽しみ。(現地にはいかないですが)フジロックからの単独公演に期待しています。
スネイル・メイルは度々聴いてきましたが、この先、よく聴くアルバムになると思います。
ひだみ
最後まで読んでいただきありがとうございます!








